スゴくデッカいズワイガニ日記

車とか音楽と魚とかモロモロのニワカな趣味を吐き出します

乗りたい車

私には、死ぬまでに所有したい車が3台ある。

乗りたいのはそりゃあBMWイセッタからクラウンからウラカンまで世の中の全部の車に乗りたいのだが、所有するとなると別だ。

 

なぜそんなことを考えようかと思ったかというと、勤務先の先輩が車好きで、以前「乗りたい車を3台挙げるなら何がいい」という話をした。

当然すぐには決められない。その時は答えを濁した。

その先輩が下半期からの異動で遠くに行くことになり、その答えを伝えないまま先輩と離れ離れになる。

その前にちゃんと考えてみようと思って3台挙げてみることにした。

めちゃくちゃ苦心するかと思ったら意外とすぐに3つが挙げられた。

そもそもとして、私はパワフルなスポーツカーやマッシブなクロカンよりも「普通」の車が好きだ。一度や二度使うものならまだしも長期間使う車という道具の性質上、ドデカいサイズ感を持て余したりもしたくないし、身の丈に合わない高級車なんかは気軽に使えるものでもない。背伸びせず、サラりと、お気に入りの鞄を肩から下げるように纏える普通の道具として普通に乗るものが車だと思う。普通の生活にわざわざ背伸びしないといけない要素を足すのは私の性格上難しいのだ。

しかし、他人と同じはイヤだ、みたいな天邪鬼な自分もいる。というか天邪鬼の方が自分の中でウェイトがデカい。

人と被らず、しかし普通の車。それでいて所有して満足できる濃いめの味わいが楽しめそうな普通の車。

なんと天邪鬼な!

 

私の乗ったことのある車種は両手で数え切れるくらいしかない。

なので経験に裏打ちされたチョイスではなくエクステリア、インテリア、スペックからイメージできる中で、勝手に自分が良い印象を持った車しかチョイスできないけど、まぁこんな散文誰も読んでないからいいか。

順不同、他意なしでお送りします。

 

 

  • SAAB 900

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SAAB!コレは乗りたい!

宇宙船とも戦闘機とも言えるこのフォルムがステキすぎる。SAABに対して使われる言葉であまりに陳腐だが、本当に「他のどの車にも似てない」。

初めて見たのは今の会社に入って飛び込み営業をさせられた時。アレは嫌だった。

とある閑静な住宅街で900は佇んでいた。その切り立ったAピラーに弧を描くフロントウィンドウと大胆な背中からお尻にかけてのライン!存在は知っていて気になる存在ではあったが実車を見たら思わず「これはヒコーキだ…」と言っていた。あれ程に立ったAピラーを持ちながら流線型と言わざるを得ないあのデザイン!感動しましたね。人の家をジロジロと見るなという話だがジロジロとガレージを見るとスモールベスパとボロボロの鉄スクーター(ランブレッタ?)も置いてあり整然と並ぶ住宅街でその邸だけがプンプンと数寄者臭を放っていた。

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Aピラー

    立っているのに

                       流線型

思わず詠んでしまう心の一句である。

 

その後めちゃくちゃに意識にするようになったからか900は何度か見た。すれ違う度に目で追ってしまうスタイル。男の子なので飛行機が好きなのだ。

それでいてあくまで彼の地では普通の車という点にも惹かれる。

北欧の文化に根付いたデザインに惹かれると言えるのかも。

エクステリアも勿論個性的だが、インテリアに目を向けてもグローブをしていても操作しやすいという大きなスイッチ・ノブ類やセンタートンネル上に位置するイグニッションキー等、独善的と言える各部に魅力を感じちゃう。

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  • Citroen Visa

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Visa!2cvでもamiでもCXでもDSでもなくSMでもなく、Visaが良いのだ!

シトロエンは独創的だ。独創的というか、こちらももう独善的の域に達していることは誰の目にも明らかだろう。

上に挙げたシトロエン達はいずれも当然名車と言える作品達で、その惚れ惚れするデザインはもう美術品だ。それでいて、どれも実用車である点にシトロエンというブランドの誇りを感じる。

恐れ多い、乗れない、乗りたい!

その誇りに触れたくて仕方がない。

 

Visaはどうだろうか。

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一見普通の車に見える。足周りはシトロエン得意のハイドロでもなく2cvの前後関連懸架でもない。ごく普通のストラットとトレーリングアーム。なんてことのない2boxスタイル。ハッチバックのコンパクトカー。

でも、よく見ると(よく見ずとも)後輪はスパッツに隠れていてトレッドも前後で異なるしお尻はGSの流れを汲むように見えるし猫背のボディーラインを見ると、コレは紛れもなくシトロエンなのだ…と思わずにはいられない。

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一見普通の見た目に秘める、どう見てもシトロエンにしか見えないこのデザインが堪らない…

エンジンもまた、2cvから脈々と続く空冷フラットツインの最終型(だったはず)。Visa前期型以降はプジョー水冷エンジンになるはず。

まさに羊の皮を被った狼!狼と言うには凡そ肉食に見えないやる気のない顔つきもまた、シトロエンらしいと言えばシトロエンらしい。普通気味のエクステリアに比べてインテリアは個性的の一言。とてもシトロエンらしい。

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サテライトスイッチはシトロエン独善の象徴と思う

 

 

SM、GS、CXを手掛けたロベールオプロンの作品と、どこかで読んだ気がするが、半ば確信を持って彼の作品だと言っちゃいたい。お尻の雰囲気がホントに似ていませんか??

同年代の同セグメントのフランス車に座ったことがあるが、座り心地もまた日本人の間隔からするとイカれてやがる。座った瞬間、自分の中の「イス観」が根底から崩れた音が聞こえた。このクラスの車にこの座り心地はどうかしているだろうと。

イスに座るようになってからたかだか百余年の日本とは根本的に異なるイス文化の違いに驚いた。

アレはずっと座っていたい。

普通なのに普通じゃないものに惹かれる私的にはVisaは圧倒的に普通なのに普通じゃなかった。

 

 

  • 三菱 ミニカ(8代目)

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ここに来てミニカ。ミニカでいいじゃない!

初代から7代目まではデザインが魅力的。

例えば初代はアメ車をめっちゃくちゃに小さくしたようで可愛らしいし、7代目は丸みが深海魚みたいで可愛い。

8代目は本当におじいちゃんの乗ってる車か営業車でしか見ない。

見た目も質素この上ないし、乗るとロールが凄いし限界は低いし背は高くないのにカーブでコケてしまいそう。オートマだと2速から3速が体感的に(実際は知らん)離れててシフトショックもデカい。軽なのに燃費も悪かった。

実はミニカ、前に私が乗ってた営業車だったんです。

不満ばかり挙げてしまったが、それこそが逆にミニカの魅力に感じてしまうほどミニカには何も無い。

それがいい!

遅いしうるさいがちゃんと走るし、エアコンは効きが弱いがちゃんとあるし、バンだと荷物をちゃんと飲み込むし、「あぁ、車ってこれでいいんだ」と気づくとすべてが愛おしく感じていた。

 

そうなると質素なエクステリア、質感の悪いインテリア、硬いシートもすべて値段の為に割り切られたものだと納得がいく。

当時最安で買えた自動車は伊達じゃないなと。

実直で素晴らしいじゃないかと。

ミニカで周る営業は楽しかった。AMでつまらない通販番組を聞きながら、妙にパワステがキツく効いたハンドルを握り、ゲート感の子気味良いATセレクターを動かし、大きなフロントウィンドウから前方を注意して、丁度いい所にあるルームミラーをふと見ると、大きなリアウィンドウが後方の情報を余さず伝えてくれる。開放的な視野が、物理的に明るい車内が楽しい気分にさせた。そんな環境で周る営業は良かった。ナビもないから道もたくさん覚えた。営業車のミニカがリースアップして、代わりにワゴンRが来た時は悲しかった。4ナンバーのミニカよりドアが2枚も多いし、エアバッグが着いている。ナビが着いてるしエアコンはガンガン効く。背が高いから荷物もめちゃくちゃ乗る。5ナンバーだから座り心地もミニカよりは圧倒的に良い。CVTは滑るように走れるし燃費も良い。、でも、今の軽自動車は顔が怖いし窓は小さいので視界が悪い。ミニカに足りなかったものをたくさん得た代わりに、楽しい道具ではなくなってしまった。軽自動車はミニカで1つの完成を迎えたと思う。

 

車に対して「足る」を知れたミニカにはもう一度乗りたいものだ。ウソみたいに安いし。

 

 

 

以上!めちゃくちゃ長くなってしまった。ここまで読んだ人はいるのかなぁ。こんな戯言を読んでくれてたらありがとうございます。

 

なんと、今回挙げた3種の内、1つ。

買います!!

 

納車後すぐ記事にしますのでお楽しみに!

あー!楽しみだ!!!