今日は変なものを食べましょう。
豆鼓鯪魚缶頭
おおよそ食欲をそそられない薄青みがかった魚の缶詰です。
まず、日本のサバの味噌煮缶的感覚で手に取ると軽い!
スカスカな印象。
さっそく開けてみましょう。
なんか固い、開かない…
意外と詰まってるのね。
ギトギトの茶色いツブツブが豆鼓(トウチ)みたいです。
その上に乗っかるのがギトギトの魚、鯪魚(ケンヒー)。丸々1匹入ってる。嬉しい。
と思ったらもう1匹入ってた!嬉しい。
食べてみましょう。
川魚らしい臭みがわりと控えめ。
ゲテモノ食べてる感覚が望外に薄い。というかなんならガッカリしてるまである。
と、思った矢先に八角の香りが鼻に訪れる。
八角ってスゴいと思うんですよね。
見事に美味しくも不味くもない。
「あ、八角入ってるな」以上の感情が生まれない所がめちゃくちゃおもしろくて好きな調味料です。
CCRのリズムギターの人(名前忘れた。ジョン・フォガティの兄貴だったはず)くらいいてもいなくてもどっちでもいいけど、彼よりは存在感がありますね。
あ、トム・フォガティだっけ?違ったらごめんなさい。
CCRめちゃくちゃカッコイイですよね。大好きです。
八角が入ってる中華は本格派な気がするから脳が自動的に美味しいと感じるけど、冷静に俯瞰すると全然美味しくはなくないですか?もちろん不味くもないし、ホントに不思議だ。
なんで食べようかと思ったかというと、実は自分が学生時代研究してた魚に似てるんですよね。
解剖直前の様子
後でスタッフが美味しく食べました。
残念ながら夏の南湖出身のコイ科魚類なので美味しくはなかったです。
コレ!
ご存知、ワタカです。
琵琶湖の固有種で植物を主要な食物としてる変わった魚です。(ちなみにホンマに水草食ってんの?って研究でした。ホンマに水草食ってました。)
ちなみに漢字で書くと腸香(ワタカ)。ハラワタがカオるんですよ。ヒッドイ名前ですよね。ホントにゲボ吐きそうなくらい内臓はクサかったです。
ちなみに絶滅危惧ⅠA類に指定されてる。
コイツめちゃくちゃカッコよくないですか??
アレに似てるんですよ、アレ!
Citroen DS
似てませんか?似てないか。
DSに似てる似てないは置いといて、流線型で肩から盛り上がる形態が日本にいるどの魚にも似てない。
側線より下に目があるのもおもしろいです。
では何に似てるのかというと、そう
鯪魚です。
正確にはケンヒー以外にもよく似た形態の魚は中国の河川になんかいっぱいいるイメージ。
でも、カワヒラとかクルターとかよく似た形態の魚はたくさんいるのにそれぞれ違う分類になってて中国の淡水魚の分類学の分野は掘り下げたら掘り下げるだけおもしろいです。
ここでは割愛します。ずっと話せるので…
なにはともあれ、どう見ても大陸系にしか見えない魚が日本で一属一種を形成してるのがとても興味深く、また琵琶湖にのみ生息してる事実も不思議です。(厳密には稚鮎の放流と共に全国各地へ定着してしまってるようですが…嘆かわしい…)
そんな興味関心を思い出せたので、味に関する議論は無視して、楽しい時間でした。
琵琶湖博物館の水族展示室入って最初に左側に見える水槽で展示されてるので、ご興味ある方はぜひ。DSの群れが見れます。
ちなみに、一緒に食べた鹹蛋は塩辛すぎて無理でした。塩より塩の味したわ。濃縮された海の味のするアヒルの卵。は?